■ 在宅介護とは
一人で自立した日常生活を営むことが困難な高齢者や障害者を対象に、ホーム
ヘルパーをはじ めとする専門家や、家族の手によって行う介護のことをいいます。
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■ 介護保険で受けられる介護サービスにはどんなものがあるか
【自宅で生活しながら受けるサービス】
○ 訪問介護
○ 訪問看護
○ 訪問リハビリテーション
○ 訪問入浴介護
○ 通所リハビリテーション
≪訪問介護≫
ホームヘルパーが居宅に訪問し、入浴、排泄、食事など身体介護や、調理、
洗濯などの生活援助を行います。
≪訪問看護≫
病気がある人には看護士が訪問して療養上の世話や診療の補助を行います。
≪訪問リハビリテーション≫
リハビリの専門職(理学療法士や作業療法士など)の訪問によるリハビリテー
ションを行います。
≪訪問入浴介護≫
入浴車で利用者宅を訪れ、運んできた浴槽で入浴してもらうサービスです。
≪居宅療養管理指導≫
医師、歯科医師、薬剤師、栄養管理士等が訪問し、療養上の指導を行います。
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【日帰りで通って受けるサービス】
○ 通所介護
○ 通所リハビリテーション
≪通所介護≫
昼間に限って老人ホームやデイサービスセンターで老人を預かるサービス。
同世代とのレクリエーションや、食事、入浴などをたのしむことができます。
≪通所リハビリテーション≫
介護老人保健施設や病院などに通い、リハビリテーションを受けるサービス
です。
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【施設へ短期入所して受けるサービス】
○ 短期入所生活介護(福祉施設でのショートステイ)
○ 短期入所療養介護(医療施設でのショートステイ)
≪短期入所生活介護≫
介護老人福祉施設に短期間入所し、日常生活の世話や機能訓練などの
サービスを受けます。
≪短期入所療養介護≫
介護老人保健施設等への入所サービス。短期入所生活介護と比べ、
リハビリテーションが重視されます。
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【福祉用具の貸与や住宅改修費の支給サービス】
○ 福祉用具貸与
○ 福祉用具購入費支給
○ 住宅改修費支給
≪福祉用具貸与≫
車いす、特殊寝台などのレンタルが受けられます。
≪福祉用具購入費支給≫
腰かけ便座などの購入費の支給を受けることができます。
(上限年間10万円)
≪住宅改修費支給≫
手すりの取付やバリアフリーなどの改修費が支給されます。
(上限20万円)
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■ 高齢者向け住宅・施設について
【自立した高齢者用】
◎ 有料老人ホーム(健康型・住宅型)
◎ 高齢者専用賃貸住宅
○ 軽費老人ホーム(A・B)
○ ケアハウス
○ 高齢者向け優良賃貸住宅
○ シルバーハウジング
○ シニア住宅
○ 養護老人ホーム
○ グループリビング
≪有料老人ホーム≫
有料老人ホームは、以前は入居者が10人以上で食事サービスの提供を行う
施設といったことが条件に含まれていましたが、老人福祉法の改正(06年4
月)により入居者1人以上、介護・家事・健康管理のうち、いずれかのサー
ビスを提供している施設といった形に変更となっています。
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<健康型>
食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要となっ
た場合には契約を解除し退去しなければなりません。したがって「介護
が必要になった時」のことを考え入居前に計画しておく必要がありますが、
ホーム側が併設、提携している施設に移転といった契約があるのもありま
す。
<住宅型>
食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設ですが、介護サービスは
ありません。介護が必要となった場合、外部の介護事業所から介護サービス
を利用しながら当該有料老人ホームの居室での生活を継続することが可能
です。
≪高齢者専用賃貸住宅≫
都道府県知事の認定を受けた民間法人等が提供する賃貸住宅。特に所得制
限等はありません。入居時に自立した日常生活を営むことができること、介護
が必要になったら訪問看護等の介護サービスを利用しながら自立できることが
必要です。緊急時対応サービス等は別に契約して利用することが可能です。
低廉な家賃設定のための助成措置等があります。
≪軽費老人ホーム≫
身体機能の低下や高齢のため、家庭環境や住宅事情などにより一人では
生活に不安がある人を対象とした施設です。食事サービス付のA型、自炊の
B型があります。常時介護が必要になったら退去しなくてはなりません。
低額な料金で個室に入所でき、食事や入浴などの生活サービスが受けられ
ますが、ここ15年以上ほとんど新規開設はなく減少傾向です。特別養護老人
ホームや養護老人ホームとの違いは、入所希望者が直接契約して入所が
決められることです。
≪ケアハウス≫
軽費老人ホームの一形態です。家庭環境や住宅事情などにより一人では
生活に不安がある人を対象とした居住機能と福祉機能をせ持つ施設です。
条件を満たせば民間企業も運営できることになり、年々増加しています。
介護が必要になったら訪問看護等の介護サービスを利用しながら自立できる
ことが必要です。居室はすべて個室と夫婦室というプライバシーに配慮した
つくりで、食事・入浴・緊急時対応のサービスが受けられます。
軽費老人ホームと同様、入所希望者が直接契約して入所が決められます。
≪高齢者向け優良賃貸住宅≫
都道府県知事の認定を受けた民間法人等が提供する賃貸住宅。特に所得
制限等はありません。入居時に自立した日常生活を営むことができること、
介護が必要になったら訪問看護等の介護サービスを利用しながら自立できる
ことが必要です。
緊急時対応サービス等は別に契約して利用することが可能です。低廉な家賃
設定のための助成措置等があります。
≪シルバーハウジング≫
地域の中で自立して安全かつ快適な生活ができるよう設備、運営面 で配慮
された公的住宅(公営住宅等)。入居時に自立した日常生活を営むことができ
ること、介護が必要になったら訪問看護等の介護サービスを利用しながら自立
できることが必要です。生活相談員が派遣され緊急時対応や生活相談のサー
ビスがあるのが特長です。
≪シニア住宅≫
住宅・都市整備公団や地方住宅供給公社等が提供する、老人の生活特性に
配慮した住宅です。入居時に自立した日常生活を営むことができること、介護
が必要になったら訪問看護等の介護サービスを利用しながら自立できることが
必要です。
住宅を提供することが主で、緊急時対応や生活相談などの最低限のサービス
のみ提供され、食堂やレクリエーション施設施設等の共用施設が充実している
のが特長です。食事や介護サービスはオプションとして使用できたり、外部の
事業者と提携して公的サービスを利用します。
≪養護老人ホーム≫
心身の理由又は環境上の理由に加え、経済的理由により在宅で充分生活
できない人が対象の施設で、長期的な介護を提供するのが特長です。
高所得者や介護が必要な人は入所できません。
特別養護老人ホームとの違いは、低所得であることが入所の条件となって
いることで、それだけに利用料金は安くなっています。
≪グループリビング≫
高齢者同士が5〜9人を1ユニットとして、お互いの生活を共同化することに
よって生活する形態の住居。入居時に自立した日常生活を営むことができる
ことが必要です。
老後を一人で暮らすには不安のある人や、気のあう仲間同士で生活したいと
考える人たちが集まって生活しているのが特長です。
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【介護を必要とする高齢者用】
◎ 介護保険施設(特別養老老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設)
◎ 有料老人ホーム(介護付)
○ 認知症対応グループホーム
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≪特別養護老人ホーム≫(介護老人福祉施設)
老人福祉施設の1つ。65歳以上であって、寝たきり状態や認知症など身体
または精神に障害があり常時介護が必要な状態ながら、居宅介護が受けられ
ない状況にある高齢者を受け入れる施設です。
「食べる」「着替える」「入浴する」「排泄する」などの日常生活を援助する
ことを目的としています。 「介護老人福祉施設」は介護保険法上の名称で
す。
≪老人保健施設≫
老人病院と特別養護老人ホームとの中間施設で、病状安定期にあり病院で
入院治療をする必要はないものの、医学的管理の下で看護やリハビリを必要と
する老人が利用する施設です。
自立を支援し、家庭復帰を目的として自宅に戻れるようになるまでの間、
一時的に入所する施設です。以前は3ヶ月、6ヶ月といった入所期間に一応の
目安がありましたが、介護保険のスタートと共にこの規定はなくなりました。
≪介護療養型医療施設≫
介護と医療の両方を必要とする高齢者が入所する療養病床で、全国に約14万
床あります。かつては老人病院と呼ばれていました。介護保険が適用される他
の入所施設と比べると、配置される医師や看護師の数が多いため、保険から
支払われる報酬が高いとされています。
介護保険施設の一つで、要介護認定を受けた「要介護1」以上の人が入所でき
ます。主な入所対象者としては、急性期医療を行う病院での治療は一段落した
ものの、もう少し病院での療養が必要な人などが該当します。あくまでも療養
が目的なので、その入所(入院)期間は、各施設の判断によるところが大き
く、3ヵ月ぐらいのとことから特に期間を定めていないところまで様々です。
入所者の80%以上は医師による治療がほとんど必要ないという調査結果を
踏まえ、厚生労働省は2011年度末までにすべて廃止し、老人保健施設や
有料老人ホームに転換していくことが決まっています。
≪有料老人ホーム≫
<一般型(介護付)>
特定施設入居者生活介護に指定された、介護サービスを義務付けられた
有料老人ホーム。
要介護者3人に対して、介護スタッフを1人以上配置する必要があります。
介護サービスはホームのスタッフが提供します。
<外部サービス利用型(介護付)>
外部サービス利用型特定施設入居者生活介護に指定された施設。
ホームのスタッフが安否確認等を行い、介護サービスは委託先の介護
サービス事業所が提供します。
≪認知症対応グループホーム≫
要介護状態の認知症高齢者が、5〜9人を1ユニットとして、食事、入浴、
排せつ等の生活全般のサポートを受けながら、家庭的な環境の中でスタッフ
とともに生活する施設。共同生活を営むのが難しい、行動面で著しい異常の
ある人や重度の認知症に人は利用できません。
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■ 失敗しない有料老人ホーム選び
ホームに入居するまでには事前準備、情報収集、見学、入居契約と段階があり
ます。後悔しないための有料老人ホーム選びのポイントを見てみましょう。
【事前準備】
(1)支払可能な入居金、月額利用料の額を算出しておく
入居金は家賃や管理費などの前払い金の性格があります。ホームに
よっては入居時に1〜3割ほど初期償却されるのでチェックが必要です。
月額利用料は家賃、管理費、食費、水光熱費、上乗せ介護費用などから
なります。
(2)入居予定者の現状を正確に把握する
入居相談や見学の際、本人の現状をきちんと伝えられるように把握して
おくことは正確な情報をホーム側に伝えることで入居後のトラブルが起き
にくくなります。
(3)本人と家族の考えを統一しておく
入居予算、立地、暮らし方(趣味・日常生活)などで本人と家族の考えが
一致していないと、本人不在のままホーム探しが暗礁に乗り上げてしまう
ことになりかねません。入居者本人と十分に話し合い、本人が何を望んで
いるのかを理解することが大切です。
(4)立地について考える
立地は、ホームでの生活の快適さを左右する大きな要素となります。
以下のポイントを参考に絞っていきましょう。
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@ 住み慣れた場所の近くにするか
A 家族の住む家の近くにするか
B 都心で駅から近い場所にするか
C 自然が豊かな郊外にするか
それぞれメリット、デメリットがあり
ます。家やマンションを買うのと同じ
ように、100%満足できる有料老人
ホームはありません。
予算、立地条件、介護サービスの
質、医療への対応、職員の質、ホー
ムの雰囲気などチェックポイントの
なかで、絶対に譲れない点、多少は
目をつぶれる点を整理して、絞り込んでいきましょう。
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【情報収集】
(1)テレビ・新聞などのマスコミ広告
莫大な広告費がかかっているということは、ホーム側でそれだけの金を
かけて入居者の募集をしているということです。広告を出す資金は大丈夫
なのか、また同じホームの広告が1年以上も継続して出ているということ
は、入居者が集まっていないという可能性もあります。
(2)情報誌・フリーペーパー
有料老人ホームの情報誌やフリーペーパーは、介護保険の保険者である
市区町村が運営する地域包括支援センターや役所などに置いてあることが
あります。新聞などより細かく分かりやすい情報が得られますが、まだ種
類は少ないようです。あくまで広告なのでPRしたい部分は強調されデメ
リットと考えられる部分はあまり載せてない傾向があります。
(3)インターネット
各ホームがホームページに載せている情報は、基本的にはパンフレットと
同じと考えていいでしょう。それ以外に動画で施設内を詳しく紹介した
り、介護サービスの一覧表、重要事項説明書、管理規定を掲載しているホ
ームもあります。しかし、ホームページの内容は千差万別で、なかには1
年以上も更新していないところもあるので、最新の情報かどうかを確かめ
ることも必要になります。
(4)有料老人ホーム紹介センター
有料老人ホームの紹介センターは、金額や立地条件などを提示すると
それに見合った有料老人ホームを探して紹介してくれるところです。
ここ数年、有料老人ホームの数が増えてきたことで、紹介センターも特に
都市部で急速に広まっています。相談料や紹介料は無料で、収入はホーム
側から入居者の紹介手数料などから得ています。
≪主な有料老人ホーム紹介センター≫
○ 高齢者住宅情報センター(社団法人コミュニティーネットワーク協
会)
○ 高齢者の住まい支援センター(轄w者の住まい支援センター)
○ 日本老人ホーム紹介サービスセンター(潟pーソンズ・ブリッジ)
○ 民間介護施設紹介センター(鰍ンんかい)
○ 有料老人ホームあんしん相談室(潟Oランドエイジング)
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【実地見学&調査】
(1)運営母体の事業主体は経営が安定しているか
一時金は利用権を買うものであり、所有権が手に入るわけではありま
せん。ホームが倒産すれば住む場所がなくなるということにもなりかね
ません。
(2)自治体が「有料老人ホーム」として認定しているか
(3)介護保険(特定施設入居者生活介護)の指定を受けているか
(4)全国有料老人ホーム協会に加盟しているか
協会に加盟しているホームについては施設概要、入居の条件、受けられる
サービス、入居一時金、月額利用料などを掲載した冊子を発行しているの
で、比較検討することができます。
(5)入居一時金の返還対象割合が80%を上回っているか
入居後に自分に合わないと思ったとき、他に移ることも可能なら安心でき
ます。
(6)入居一時金の償却期間が入居者の契約時の年齢から平均寿命まで
の年数の3分の2以上か
(7)入居率が極端に低くないか
開設から5年以上のホームは7割を目安にします。
(8)入居一時金について銀行保証は付いているか
銀行保証がある場合、その保証率は5%以下を目安にします。
(9)要介護になった場合、ホーム内で介護サービスが受けられるか
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【契約時チェック】
(1)入居者本人の意思は確認しているか
家族だけで決めてしまって本人は納得していない場合など、ストレスで
逆に介護度が上がってしまったり認知症が進んだりしてしまうケースが
あります。入居後のトラブルにならないよう無理強いは避けましょう。
(2)契約時の確認書類
○入居契約書
○重要事項説明書
○管理サービスの一覧
○管理規定
これらの書類をよく点検し、疑問があったらすぐに確認しておきましょ
う。
特に費用関係では後のトラブルになりやすいので、特に介護保険外の
サービスの内容についてはよく確認しておくことが大切です。
(3)契約の解除条件の確認
<事業所側から契約解除される例>
○料金未納
○不正行為
○認知症が進んで他の人と共同生活が送れなくなる場合
○医療行為をともなうケアが必要になり、施設側にその体制が整って
いない場合
○入院が長期に及ぶ場合(入院費と管理費の二重払いとなり負担が
重くなるため)
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